区民のためのオープンダイアローグ『対話のまちづくりコーディネーター講座』第4期生募集開始!

対話のまちづくりコーディネーター講座は、対話を通して地域の課題や問題に取り組む実践者を養成するプログラムです。講座ではオープンダイアローグのエッセンスと共に、 トラウマインフォームドアプローチについても学び、困難な状況にいたり、関係の中で力の格差がある場合などに、心の傷と共にある方が安心して話ができる、安全で水平な対話の場をコーディネートする力を身に着けます。
1日6時間、全6日間、対話のワークを中心とした実践的なプログラムです。ワークでは自分の話をしたり、他の人の話を聞くといった時間もあります。スタディグループを作って講座以外でグループで集まり学びを深める時間や、学んだことを分かち合う”対話の収穫祭“というイベントもあります。この講座には答えはなく、自分で気づくプロセスを大事にしています。心理的な負荷がかかることもありますので、日常生活の中でご自身の心身をケアする時間も十分に確保しながら受講してください。
ボランティア活動に挑戦してみたい方、地域活動や社会活動に興味のある方のご参加をお待ちしています。
講座内容
7月26日(土)・27日(日)「オープンダイアローグとトラウマインフォームドアプローチのエッセンスを学ぶ」
内容:オープンダイアローグとトラウマインフォームドアプローチの基礎知識をワークを通じて体感しながら学んでいきます。
9月27日(土)・28日(日)「水平で安全な対話」
内容:子どもと大人、上司と部下、支援者と要支援者など、力の勾配が生まれやすい構造の中でも安心して話ができる対話の場の作り方を考えます。
12月6日(土)・7日(日)「多様な声との対話」
内容:様々なバックグラウンド、社会的役割、ジェンダー等のちがいを持つ人々との対話は時に理解することが難しかったり、不安を感じることもあります。多様な声にどう耳を傾けるのか、対話を重ねていきます。
講師
森川すいめい氏
1973年、東京生まれ。精神科医。鍼灸師。オープンダイアローグトレーナー。2003年にホームレス状態にあるひとを支援する団体 「TENOHASHI(てのはし)」を立ち上げ、現在はその仲間たちで立ち上げたゆうりんクリニックで診療を行う。著書に『漂流老人ホーム レス社会』(朝日文庫、2015)、『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』(青土社、2016)、『感じるオープンダイアローグ』 (講談社現代新書、2021)等がある。
小澤いぶき氏
児童精神科医/精神科専門医/一般社団法人Everybeing 共同代表 /NPO法人PIECES代表理事/ 京都大学医学研究科 研究員 / こども家庭庁アドバイザー。精神科医を経て、 児童精神科医としてトラウマ 臨床、虐待臨床、発達障害臨床を専門として臨床に携わり、複数の自治体のアドバイザーを務める。コレクティブトラウマとトラウマのケア、子どもの心の健康とウェルビーイングを専門にする。2016 年JWLIリーダーシッププログラムフェロー。2017年3月ザルツブルグステイトメント作成に参画。PIECES創業メンバー。全ての存在(Every Being)の尊厳がまなざされ、すべての尊厳とともにある社会へのプロセスを子どもたちと、そして全ての存在とともに育むために、一般社団法人Everybeingを立ち上げ活動している。
募集人数:24名
参加要件:渋谷区在住・在勤・在学・アイリス登録団体構成員、下記の参加条件にご了承いただける方
申込期間:5月15日(木)~6月3日(火)
申込方法:Grafferスマート申請からお申込ください。
応募者多数の場合は抽選で受講生を決定します。選考結果は6月5日(木)以降、お申込の方全員にお送りします。当選された方には志望動機(400字程度)を6月17日(火)までにご提出いただきます。(ご提出がなかった場合はキャンセルとなります。)
~参加条件~
①全日程に参加できる
②共に学ぶ仲間を大切にし、互いに協力できる
③自分の中の偏見と向き合う努力ができる
④心身がつらいときは自分のケアを大切にできる
⑤変化していく過程を楽しめる
⑥早急に答えを求めず、不確実さや不思議さに取り組める
⑦渋谷区の活動やアイリスの取りくみに積極的に協力できる
*この講座はオープンダイアローグのファシリテーター認定講座ではありません。認定証や資格証明書は発行されません。ご了承の上お申し込みください。
オープンダイアローグとは?
1984年にフィンランドのケロプダス病院で生まれた対話を軸とした精神医療のスタイル。オープ ンダイアローグは「開かれた対話」と訳されるように、困りごとがある本人と周りでその人をサポートしたり、ケアする人を交えて必ず本人のいるところで対話をします。フィンランドではこの対話によるケアで精神面に困難を抱えた人の8割が回復。その効果の高さから世界中で注目を集めています。「聴ききる、話しきる」ことを大切にするこの対話の考え方を、フィンランドでは精神医療の分野だけでなく学校や職場、家庭や議会でも活用しており、あらゆるところで対話の場が開かれています。
トラウマインフォームドアプローチとは?
トラウマインフォームドアプローチは専門家ではなくても、様々な立場にある人がトラウマとは何か、どの様な影響があるのかということを知ることで、社会全体の健康と安全の向上を図る公衆衛生のアプローチに基づいています。 疫学研究では、生涯においてトラウマ体験を有する人は少なくないことが分かっています。”今まさに起きているトラウマ”の影響の理解、認識をし、影響に気づき、適切に対応・応答することは再トラウマ化を防ぐうえで大きな助けとなります。またトラウマインフォームドアプローチの知識は自然災害などの緊急時だけでなく、DVや虐待、家庭内の問題、いじめや 性暴力被害など、助けを求めることに難しさを感じる環境を、自分も関わる構造的な問題として捉え直し、安全な環境に変容させていく土台ともなります。自分や他者のさまざまなSOSに気付き、 適切に応答・対応できるように、また本来のレジリエンスを発揮していくために必要なエッセンスです。